大さじ1は15ml、なのに料理によって重さが違うのはなぜですか
大さじ1が15ml、小さじ1が5mlというのは容積の話です。重さではありません。だから同じ「大さじ1」でも、砂糖と塩と油では重さが変わります。
しくみは単純です。計量スプーンは体積を量る道具で、中に入るものの密度が違えば重さも変わります。砂糖大さじ1は約9g、塩大さじ1は約18g、油大さじ1は約12gといわれます。同じ体積でも粒の詰まり方や比重が違うので、当然重さは一致しません。粉類はふるうかどうかでも量が変わるので、レシピによって「すりきり」なのか「山盛り」なのかを見ておく必要があります。
たとえば塩をひとつまみのつもりで大さじで量ってしまうと、想定の倍近い塩分になることがあります。減塩メニューを作っているときにこれをやると、味の破綻というより健康面での誤差になってしまいます。逆に砂糖を控えめにしたくて小さじで代用したら、甘さが全然足りなかった、という逆パターンもよく聞きます。
例外として、液体でも粘度が高いもの、はちみつや水あめのようなものはスプーンの縁に残る量が無視できず、実際にはやや少なめになりがちです。デジタルスケールでグラム表示に置き換えられるレシピなら、そちらを使ったほうが再現性は高くなります。ここは道具の使い分けの問題であって、どちらが正しいという話でもありません。
賞味期限が「今日まで」の食品は、今日食べないと危ないのでしょうか
結論から言うと、賞味期限を1日過ぎたからといって、すぐに食べられなくなるわけではありません。賞味期限は「おいしく食べられる期限」で、安全に食べられる期限である消費期限とは別の指標です。
この違いが生まれる理由は、期限の設定方法にあります。メーカーは保存試験を行い、味や食感が保証できる期間を割り出したうえで、さらに安全マージンを掛けて期限を設定します。つまり表示されている日付そのものが、劣化の限界ぎりぎりを示しているわけではないケースが多いのです。逆に消費期限は、傷みやすい食品に対して「これを過ぎたら食べないほうがよい」という安全側の線引きです。お弁当や生菓子に消費期限が使われるのはこのためです。
スーパーで買った未開封のスナック菓子やレトルト食品が、賞味期限を3日過ぎていた。こういう場面はよくあります。見た目やにおいに異常がなければ、多くの場合は食べても問題にならないとされています。ただしこれは「期限を過ぎても平気」という保証ではなく、あくまで食品の状態を自分の目と鼻で確認することが前提です。
迷いやすいのは、開封後の扱いです。賞味期限は未開封を前提にした数字なので、一度開けた食品には当てはまりません。開封後は期限にかかわらず、早めに食べきる必要があります。また生鮮食品や要冷蔵の惣菜のように、そもそも賞味期限ではなく消費期限が使われる食品もあるので、パッケージのどちらの表示なのかを確認する習慣は持っておいたほうがいいと思います。
「1食あたり」の栄養成分表示、何をもとに区切っているのか
栄養成分表示にある「1食あたり」や「1袋あたり」は、メーカーが独自に決めた目安量です。国が一律に決めた量ではありません。だから同じジャンルの商品でも、1食の基準がバラバラということが起こります。
これは表示のしくみ上、避けられない部分です。食品表示のルールでは、100gあたりで表示する方法と、1食分あたりで表示する方法の両方が認められています。メーカーは自社の商品の食べ方に合わせて、どちらか、あるいは両方を選んで表示します。カップ麺なら1食は1個分になりますが、スナック菓子の1食は袋の半分だったり3分の1だったりします。ここを見落とすと、カロリーや糖質の比較が成立しません。
たとえばポテトチップスの表示に「1食35gあたり カロリー190kcal」とあっても、袋全体が70gなら、1袋を食べきればカロリーは単純に2倍になります。ダイエット中に「1食分だから」と安心して、実は1袋を一気に食べていた、という話は珍しくありません。
比較するときは、100gあたりの数値を見るほうが確実です。1食あたりの数値はメーカーごとに基準が違うため、A社とB社の商品を並べて「どちらが低カロリーか」を判断する材料には向きません。逆に、自分がその日どれだけ食べるかがはっきりしている食品なら、1食あたりの表示のほうが実感に近く、扱いやすい場合もあります。
塩分は「食塩相当量」、なぜ「塩分」とそのまま書かないのですか
食品表示に「食塩相当量」と書かれているのは、含まれているナトリウムの量を、食塩の量に換算し直しているからです。ナトリウムそのものの数値だと、多くの人には量の見当がつきにくいためです。
換算の考え方はこうです。食品に含まれる塩分はナトリウムという成分として存在していて、これは食塩(塩化ナトリウム)以外の形でも含まれます。だから栄養成分の分析では、まずナトリウムの量を測ります。それを食塩相当量に直すには、ナトリウムの量に約2.54を掛けます。この係数は塩化ナトリウムの分子量とナトリウムの原子量の比から出てきた数字で、メーカーが好きに決めているものではありません。以前はナトリウム量だけの表示も見られましたが、今は食塩相当量での表示が基本になっています。
味噌汁1杯の食塩相当量が1.5gだったとします。1日の塩分摂取の目安を6~7g程度と考えると、汁物だけでその2割強を占める計算になります。漬物や梅干し、加工食品を合わせていくと、意識しないうちに目安を超えてしまうことがあります。数字だけ見ると小さく感じますが、積み重ねると効いてくるのが塩分の怖さです。
ここで迷いやすいのは、減塩をうたう調味料の表示です。「食塩50%カット」と書かれていても、それは同じメーカーの通常品と比べた割合であって、他社製品や一般的な調味料と比べた数字ではないことがあります。何と比べての50%なのかを、成分表の数値そのもので確認したほうが確実です。
牛肉の「A5」は、数字が大きいほどおいしいという意味でしょうか
A5のAは歩留まり等級、5は肉質等級を指していて、数字が大きいのは主に「脂肪の入り方」を含めた見た目の格付けが高いという意味です。必ずしも「おいしさそのものの点数」ではありません。ここは誤解されやすいところだと思います。
等級のしくみを見ると理由がわかります。肉質等級は脂肪交雑、肉の色沢、締まりとキメ、脂肪の色沢と質という4項目を基準にして、そのうち最も低い評価に合わせて総合等級が決まります。脂肪交雑、いわゆる霜降りの入り方が重視されるため、脂の多い赤身の少ない肉ほど高い等級がつきやすい傾向があります。つまりA5は「霜降りがしっかり入っている」ことの証明であって、赤身の旨みや肉そのものの風味を保証する数字ではありません。
ステーキ用に赤身の多い部位を選びたい人が、等級だけを見てA5を選ぶと、脂が強すぎて食べきれなかった、ということが起こります。逆に赤身の旨みを求める人にとっては、A3やA4の方が好みに合うことも珍しくありません。焼肉店やすき焼き用なら霜降りの多さが評価されやすい一方、ステーキで赤身の食感を楽しみたい人には等級だけが判断材料にならない、という食べ方の違いも関係してきます。
例外として、輸入牛肉や交雑種、ホルスタインなどはそもそも和牛の等級制度の対象外か、評価の付き方が異なります。「A5和牛」という表示があっても、その部位や個体の脂の入り方は実際に見て確かめたほうが確実です。等級はあくまで目安のひとつで、好みの肉かどうかは別の話だと考えておくと、選び方で迷いにくくなります。

